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小野洋司「乾電池と焼き鳥1」

この話は東日本大震災が起きてから2.3日たった時の話です。


その頃、自分は統合失調症の真っ只中にいました。

それでも自分は家族や自分と同じ様な病気の人達以外としゃべりたくて、差し入れをもって時々、親からお金をもらって近くのスーパーの前に店を出している焼き鳥屋さんに行っていました。


その店主も、自分が精神病とうすうすわかっていたようでした。

それでも、いつも何気ない話や楽しい話をしてくれて、その時だけでも病気のことを忘れさせてくれていました。


その日も親から500円をもらい、焼き鳥屋に行き、五百円分の焼き鳥を頼みました。

震災の話をしているうちに、店主が、

「また今日も冷たい水で洗い物をしなきゃいけないんだぁ」

と言いました。


理由を聞くと、洗い物をするときに使う湯沸かし器の点火用電池が切れており、電池を買おうにも、町中のスーパーでは売り切れているし、買いに行く時間もなく手に入れることができないとのことでした。


自分は

「電池のサイズと個数は?」

店主は

「単一電池で二個」

と言いました。



続く

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小野洋司 焼き鳥と乾電池2

自分はそれを聞くと、家に戻り、ストックしていた単一電池2個をもって焼き鳥屋へ行きました。 そして店主に 「もしかしたら放電しているかもしれませんが、よかったら使ってください」 すると店主が 「ありがとう。焼き鳥の代金はいらないから、自分のお遣いにしな。」 その後スーパーの建て替えがあって、その店主とは会っていません。 どんな病人でも普通の人から言われる、本当に感謝を込められた「ありがとう」という言

 
 
 

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